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残暑見舞い シュウメイギク

Herbst-Anemone (秋のアネモネ)

残暑見舞い申し上げます。


こちらバイエルンの南では

早くも秋明菊(シュウメイギク)が

咲き始めています。



日曜日に立秋を迎えた途端

気温は一気に10度程下がり

早朝の温度は15度程度。


朝晩は外の空気が肌寒く感じるくらいです。


南に聳えるアルプスから吹きおろしてくる南風が

既にひんやりと冷たい。



麦畑は黄金色に色付き牧草地も刈り入れ時。


トウモロコシだけが青々とした葉を蓄え

大地と太陽のあいだにもうしばらくその実を肥やしています。



人間界では夏休みの真只中。

ご近所さん達は南国へ長期休暇に出掛けました。


いつもは賑やかな子供達の声も

ワンコ達の鳴き声も聞えません。


ひっそりとした住宅街の

庭先に植えられた秋明菊がお留守。


柔らかくなった秋の陽射しを受け

清楚な花を揺らしていました。


お盆ですね。


目を閉じると懐かしい

お線香の香りが鼻の奥にふわりと蘇ります。


茹でたての枝豆やトウモロコシが

食卓の上に準備された風景。


夕食頃に聞こえてきた隣町の花火の音。

近いような遠いような音。


日本の夏の風情は

瞼の奥や

鼓膜の裏側

鼻腔の内に


美しいまま。


まだまだ残暑が厳しいと存じますが

どうぞお身体に気をつけて

穏やかな時間をお過ごしくださいませ。

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